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伝説のVMDメルマガ『商品と数字を振りまくる男』

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、

お客様に商品を購入していただくことの楽しさや、

難しさについて熱く語っていこうと思っておりますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。

GUEST No.17 『商品と数字を振りまくる男』

バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「お疲れ様でーーす。」(以下K)
「いらっしゃい」

Kさんは某老舗アパレルのディストリビューターをされています。ディスト
リビューターというと、何の役職か分からない方もいらっしゃると思います
ので、簡単に説明すると戦略的な営業職(売上げを含めた、店頭の数字と商
品の管理運営をする職種)です。

F:いらっしゃいませ、今日は色々とお話を聞かせていただく分、ご馳走し
ますので、ごゆっくりなさってくださいね。
K:はい↓

F:えっとですね、記念すべき2009年最後のお客様にKさんをお迎えし
たのには、ちゃんと理由があるんですよ。
K:ほんとかよ??
F:当たり前じゃないですか?
K:えっ、じゃあ何なの?その理由って?
また、くだらないこと言うなら帰るぞ!!

F:くだらない事なんていつも言ってないじゃないですか。
理由という程の事でもないんですが、この数年で僕のお客様先でのパー
トナーには、ディストリビューターをしている方に替わっていって頂い
ているんです。

K:へぇーー
F:以前は、店舗運営部や販促、または店舗運営を兼ね備えた営業部、更に
はMD企画部などが、クライアントである御客様の組織の中での僕が仕
事をさせていただく配属先とでも言いましょうか?、窓口となっていた
わけですが、VMDへの取り組み方にいろいろ違いがあるので、私との
窓口業務をして下さる方を、ディストリビューターやコントローラと呼
ばれる方々に代えて頂いたんですね。

K:そうなんだ。今聞くまで全く意識していなかったよ。
まぁ、でも、VMDって言うと、今までは店舗を綺麗にするとか、全て
の店舗でMD表現を統一するとかだったんだろうけど、今は売上げ欲し
いからね。VMDで店舗運営してます、売り場は綺麗ですって言っても、
全く偉くもないし、羨む事も無い。まさに、売上げが上がらないVMD
なんて意味ない訳だから、直接数字と商品と関わる我々と組む理由は明
白だよね。
F:・・・・・・・仰るとおりで・・・・・・・・

K:でもね、僕らにもメリットがあって、VMDとディストリビューターが
組むって言うのは、当たり前と言えば当たり前なんだけど、実際組む前
までは、店頭に何があって、何がどのくらい売れてるかは分かるし、商
品の投入時期だって決められるけど、実際に店舗でどう商品が展開され
ているかは知るすべもなかったし・・・・・あと、売り方なんて考えて
ないわけだからね・・・正直、以前は『商品入れてるんだから、売れよ!!』
みたいな感覚だけだったよね。

F:そうなんですよね。なんて、直球で言うと怒られるかもしれませんが、
今の時代、商品企画も大切ですが、同時に商品コントロールと店頭販売
戦略じゃないですか?

売上げのことを考えると、やはりKさんみたいなコントローラーさんや
ディストリビューターと組まないと、僕らも仕事にならないわけですよ。
ただ、勿論前提としてMDや商品企画の方々とはもっと前の段階で相互
理解出来ているようにはしていますが、日々の実務レベルでは、やはり、
Kさん達と売れ方や売り方を詰めないと仕事になりませんね。
という訳で今夜のゲストがKさんなんですよ。

K:ずいぶん長い前置きだったね。
まぁ~でも今年最後のゲストアリガトネ。
F:イエイエ
K:でも、本当に今は難しい時代だよ。

F:そうですね。今後この業界はどうなると思われますか?
K:うーーン、今、僕と深澤君が組んでいるように、もっと、もっと事実に
基づいた戦略や商品企画を行う組織は進化していくとは思うんだけど
・・・・夢は無いよね。
F:そうですね。
どうでしょうか?正直に、夢は必要ですか?
K:それは俺が聞きたいね。

F:実際には、価格と品質を厳しく問われながら、しかも消費者が減少して
いく時代ですから、今まで経験したことがないような、まさに三重苦で
すよね。夢なんか見ている余裕がないかもしれないですよね。でも、だ
からデザインとか、クリエイティブしか突破口は無いのかと私は思いま
す。

K:それは、本当に希望的発言だけど、確かにそうなのかもね。
F:すいません。しかし、今は確かな現実を見極めていない売り場は生き残
れないでしょうから、事実をしっかりと把握すべきですね。

K:そうだね、見極めと先読み、ほんの少し先でもいいんだよね。俺らみた
いな事実をしっかりと把握している人間が、先を見ないとな・・
みんな目標ばかりが先立って、計画性が無さ過ぎるものね。

F:そうですね。売り場作り=店頭での売上げ必達の計画を可視化すること
だと考えておりますので、来年もビシビシ行きましょうね。
K:そうだね。生き残りを掛けた戦いだなぁ来年は!!

K:じゃーー今日はご馳走さん。
F:ありがとうございます。それでは良いお年を!!
K:何言ってんだよ。今年中にまだまだ仕事があるからそんな挨拶するなよ。
F:失礼しました。

今回は、商品の戦略的コントロールと数値管理を行うKさんにお越しいただ
きました。僕自身、必ずVPを作る上でもPPを作る上でも数値目標をしっ
かり立てます。しかし、数値目標を作るためには、根拠が必要であり、その
根拠こそがKさん達と数字の事実を前提とした、取り組みの中に見出すこと
が出来ます。

確かに、今は難しい時代なのかもしれませんが、まだまだ小売の当たり前の
仕事の仕方が出来ているか?と問われると、店頭でのその動きには改善でき
る、進化できる余力が残されています。勿論、夢や楽しみも店頭には必要で
すが、事実に基づいた基礎運営力の上に、夢や楽しみが乗るべきだと考えて
おります。

来年に向けて、まだまだ出来ることが沢山あるなぁ~と実感させられる毎日
です。

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深澤智浩

深澤 智浩

株式会社深澤企画 代表取締役

パリをはじめとする海外の店舗や、国内のSM/GMSでのあらゆる店舗・売場の店舗デザイン・店頭戦略を学び、独立。現在は、小売業からの依頼に加え、メーカーからの販促提案・ショールーム展開の相談など様々な業種・業態の店頭戦略(SP・VMD・設計・店頭ブランディング)を、年間100件以上行っている。近年では、ショッピングモールやチェーンストアからの依頼も多くなっている。また、「商業界」の教育講座、デザイン専門学校、企業研修でも指導にあたり、人材育成にも注力している。