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露店だってVMD

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購
入していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思っ
ておりますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。


GUEST No.22
     『露店だってVMD』


バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「どうもこんばんは。」(以下T)
「いらっしゃいませ」


<ゲストの紹介>
Tさんは地元を中心に縁日や祭り各種市で露店を出店する所謂露店主さん
です。
ちょっと怖い人たちを想像する方もいらっしゃるかと思いますが、最近で
は自治体や企業が主催し地域住民が参加する「手作り」の日曜マーケット
などや蚤の市などにも参加し、地道に地方を活性化させていく取り組みと
しても注目されている小売商です。

中学時代の友人を介し、売上げが激減してる状況下の中、昨今の店舗作り
のノウハウを活かした露店作りのアドバイスをさせていただいたのが、T
さんとお会いしたきっかけです。


F:いらっしゃいませ、今日は色々とお話を聞かせていただく分、ご馳走
  しますのでごゆっくりなさってくださいね。

T:いえいえ、以前はお世話になりました。
F:お飲み物は何にしましょうか?
T:じゃー、ビールで結構です。
F:私もお付き合いします。

F:Tさんと私は、一応同級生になるんですよね。
T:昭和46年生まれですから、同級生です。

F:いきなりで、なんなんですが、このご商売をされるきっかけは何です
  か?
T:えっとですね、まぁーオヤジの代からやっている商売なんです。オヤ
  ジはスーパーの駐車場なんかで、あの富士宮焼きそばを売っていたん
  ですね。
  一時期は、『この商売はしない』と考えていた時期もありましたが基
  本的に好きなんでしょうね。今では県の公認を受けた協同組合として
  活動している組織に属していますから、皆さんが考えているようなイ
  メージのものとは違ってきているかもしれませんね。
F:そうですか…はじめは、私、完全にビビッてましたからね。
T:いえいえ、ちゃんとしたショッピングセンターなんかでも今は商売を
  させてもらっていますしね。まぁ僕らは飲食やら、玩具の販売など時
  と場所によって商売の内容を変化させていますから、怖そうな方々の
  やっている店舗と間違われることが多いのですが、あくまで、今はイ
  ベントや集客の多い場所での盛り上げを担当する役目が重用だと思っ
  ています。

F:そうですよね。
  さて今日は、以前露店を成功させる売場作りのアドバイスをさせてい
  ただいた時のことを伺わせていただこうと思うのですが、よろしいで
  しょうか?
T:勿論 どうぞ

F:まず、最初に私が友人からご紹介された時には、縁日などで出す飲食
  以外の店舗の売上げが悪くなっているということでしたよね。
T:そうですね。まぁ勿論、飲食系の露店も良くはないのですが、トレン
  ドの商材を引き当てると、それなりに盛り上がりますね。

F:トレンドですか?
T:勿論、流行は大事です。
  今年は前半前から『宮崎の肉巻きおにぎり』が良かったのですが、口
  蹄疫の問題が発生してから厳しいですね。
  やはり、露店で販売する飲食系の商材も伝統的な、飴細工やお菓子類
  以外は、売上げは流行に左右されるんですよ。かといって伝統的な商
  材を販売すると、これが効率が悪いんですよね。飴細工などは職人技
  ですから、1人のお客に対して時間も掛かるし、人件費も掛かる、だ
  から流行の飲食系商材が一番効率良く儲かることが出来るんです。

  ただ、今回の宮崎の肉巻きおにぎりのように、ハードにも投資をして
  作った露店が、想定外の問題によって売上げを落とすとなると厳しい。
  非常に天候に左右される商売ですから、想定外のコトだらけではある
  んですが、一度商材やハードの設備投資をしたら、やはり効率的に早
  く多く儲けなければならないのが私達の宿命なんですよ。

F:なんだか、お話を聞いていると、店舗を持って商売をされている方に
  も聞かせたいこと沢山ありますね。
T:そうですか?でも我々も深澤さんか色々アドバイスを頂いてよかった
  ですよ。
F:ありがとうございます。じゃーあの時のお話を伺いたいのですが、よ
  ろしいでしょうか?

T:ハイ、まず、これまで話してきたように、小さいながらも短期決戦で
  商売をするわけですから、仕入れから店作りまで何か新しいことや、
  逆に基本みたいなことがあれば、相談したいなと思っていたんです。
  そうしたら、私達の共通の友人でもあるS君から、深澤さんの話を聞
  いて、ちょっと会ってみたくなったという感じですね。
F:正直、僕はビビッてましたけどね(笑)
T:そうですか?いきなり、私に『結局はどうしたいんですか?』みたい
  なことを上から目線で話していましたよ。
F:そうでしたか?
T:ハイ。ちょっと、会って失敗したかと思いましたから。
F:すいません
T:いえいえ。その後はとても分かりやすく、色々アドバイスしてくださ
  いましたから。

F:えっと、まず私が最初に見せていただいたのは、玩具系の露店でした
  ね。
T:そうです。やっぱり、この商売にとって一番大切なお客様はお子さん
  なんですよ。子供さんたちが、この場所にどれだけ長く居たいか?買
  いたいもの、興味があるものがあるか?によって売上げが全く違って
  くる。そのために、一度縁日で露店を開いている時に来てくださいま
  したよね。
F:ハイ。僕も縁日大好きですからね。
  ただ、この商売のアドバイスをさせていただくとは思ってもいません
  でした。でも、行ってみてよかったです。直ぐに問題や改善点が見つ
  かりましたし、その後の進め方もやはり、現場にあるモノですよね。

  僕がまず気がついたのは、その商品量でした。商品量というより商品
  の幅ですね。
  縁日って人通りが凄いじゃないですか?だからある意味『立ち止まる』
  っていうのが小さな子供さんにとっては危険に繋がる。
  また、特に露店の上部に飾ってある『お面』の眺めて選んでいるだけ
  で時間が掛かる。時間が掛かると親は、子供を騙すと言うか、『他の
  モノやお店も見てみましょう』と混雑から逃げ出したくなるわけです。

  まずは、如何に早く、決めさすかということと、通り過ぎてしまった
  お客さんに店舗に戻ってきてもらうための仕掛けをしておくかが最初
  のポイントでしたよ。

T:そうでしたね。『お客さんの五感と記憶をフル活動させましょう』っ
  て言ってましたね。
F:ハイ、だからまず、お子さんたちにとってキャラ立ちしている店舗に
  しようと考え、販売するキャラクターを絞り込みましたね。男子なら
  コレ、女子ならコレ。
  それから、店舗のBGMも絞ったキャラの主題歌を掛け、そのキャラ
  の商材に絞って品揃えする。そうすると、お子さん達にとって、縁日
  の露店が、キャラの専門店化する。

  次は、女の子達用に匂いアイテムを多くしましたね。これは匂いの効
  果が記憶に訴えかける効果に結びつきやすいので、匂いアイテムを前
  面で多く打ち出し、そして、試させてあげる。体験効果ですよね。
  また買ってくれたお子さん達に、もれなく、くじ引きをサービスし当
  たるとガチャポンをサービス。

T:これ、聞いていくと当たり前のことなんだけど、短期決戦で早く多く
  儲けたい我々の発想だけではできない手法でしたよ。
  でも、結果、何処行っても行列できますもんね。勿論、先行投資は以
  前よりも大きいですが、盛り上げれば、場所も大きく確保させてもら
  えますし、良いイベントに呼ばれる。そして売上げも向上する。正攻
  法ですね。
F:そうだと思います。
  ただ、正攻法で他のお店は勝負していないじゃないですか?この場合
  何をもって正攻法と言うのか分かりませんが、とにかく『お客さんの
  五感と記憶をフル活動させる』商売は人気店舗になる。
  これは、どんな業種だろうと変わらないと思いますし、特に、Tさん
  のご商売は、全ての商いの根幹みたいな業種ですから、直ぐに効果が
  現れると思っていました。

T:ありがとうございます。
  あの後、教えていただいたことから飲食系も試食の量を増やしたり、
  トレーやBGMなど、色々工夫しているんですよ。
  どれも結構直ぐに効果が現れていて、今では真似されることも多くな
  りましたよ。本当に助かりました。
F:良かったです。
  やっぱり、アドバイスさせていただいたことを、直ぐに自分に落とし
  込んでいただいて、そして理解から応用に移していただく。
  これをしていただければ、必ず効果が出ますし、お手伝いをさせてい
  ただく方としても非常に嬉しい成果ですね。

  どうしても、全て教えてもらう体制を崩せないというか、完全に受身
  の方がいらっしゃるのですが、まず間違いなく理解できていない、応
  用も出来ない。僕としても時間もコストももったいないとしか思えな
  いですからね。

T:また、新しい露天での商売を考えますから是非、遊びに来てください
  ね。
F:ありがとうございます。
T:じゃーーそろそろ失礼します。
F:今日はありがとうございました。
T:こちらこそです。


今回ご来店いただいたTさんですが、僕にとっても非常に良い経験をさせ
ていただいたと思っております。勿論、今までも大きな百貨店のウインド
ウや、ブランドショップの店作りなど、多くの経験をさせていただきまし
たが、青果市場で朝5時から仕入れをしていた時のことと、今回の取り組
みはある意味非常に近い感覚があり、なんと言っていいのか分かりません
が、商売ってどんなに進化・進歩しようと、この部分が分かっていれば、
本質は外さないだろうという自信が湧く取り組みでした。

僕自身がモノを販売することは、今後も無いと思うのですが、だからこそ
モノ売り現場に誰より近づいて、お客様に近づいて、お客様の『欲しい』
を作る本質を見極めて生きていきたい、そう願う私でした。

ではでは

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