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伝説のVMDメルマガ

後輩ヴィジュアルマーチャンダイザー Mr.T

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購入
していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思ってお
りますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。


GUEST No.24
     『後輩ヴィジュアルマーチャンダイザー Mr.T』

バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「どうもこんばんは。」(以下T)
「いらっしゃいませ」

<ゲストの紹介>
T君は僕の会社時代の後輩です。現在フリーランスのヴィジュアルマーチャ
ンダイザーとして、活躍中です。今宵は久々に2人で独立のきっかけとなる
「コロンブスの卵」の話で盛り上がりました。

T君:深澤さん、久しぶりです。やっと呼んでくれましたね。
F :そう?この間、一緒に飲んだじゃない。
T君:そうでしたか?結構一ヶ月も、会っていないとかなり久々に感じま
   すよ。
F :そうかな~?まぁいいですよ。じゃー今日はご馳走しますが、何を
   飲みますか?
T君:じゃー、チンザノのロッソをロックで。
F :懐かしいね~。イソジン的な味の飲み物。お付き合いしますよ。

T君:すいません、遠慮なくご馳走になります。今日は色々話しますから
   ね。実は、僕以前からコレに呼んで頂いたら、話そうと思っていた
   ことがあったんですよ。
F :何の話?君が開催している怪しいファッションイベントの話?
T君:違いますよ、しかも怪しくないですよ。ちゃんとお客さんの動員も
   増えているんですから。話したいのは、以前話していた、「コロン
   ブスの卵」の話です。
F :あぁ話したね。コロンブスの卵。

※実は私が独立する以前に、色んな店舗を廻って調査している際に、前社
 でお世話になっていた上司に、「お金をかければ、良いお店も商品も誰
 にでも出来ますよ。

 だから、今人気のある店舗は、皆つまらない店舗に感じるし、人の力と
 いうよりは企業規模が店舗の品質そのもののように思えて仕方ないんで
 すよね…」というような話をしたところ、上司から「コロンブスの卵」
 を聞かされました。

 この「コロンブスの卵」の話を恥ずかしながら知らなかった私は、直後
 独立を決め現在に至るという事がありました。

 また、数年後その話をT君にしたところ、T君も直後に独立という「コ
 ロンブスの卵」の話によって2人ともこの業界での仕事の仕方が決まっ
 て行ったという繋がりが僕らにはあるのです。

 ~もし、知らない方のために、コロンブスの卵について~
 コロンブスが大陸を発見し帰国した際の式典で、「誰でも西へ行けば陸
 地にぶつかる。造作も無いことだ」などとコロンブスの成功を妬む人々
 に対し、コロンブスは「誰かこの卵を机に立ててみて下さい」と言い、
 誰も出来なかった後でコロンブスは軽く卵の先を割ってから机に立てた。
 「そんな方法なら誰でも出来る」と言う人々に対し、コロンブスは「人
 のした後では造作もないことだ」と返したというお話。

T君:僕、コロンブスの話って、よくTVなんかでも耳にするんですが、
   実際の内容を知らなかったんですよ。だからあの話をあのタイミン
   グで聞いた時に、なぜか自分が、たまらなく小さくて行動を起さな
   い人間に思えて仕方がなかったんです…。
F :俺も知らなかったよ、Iさんに(元上司)あの話を聞かされた瞬間
   なんか評論家みたいになっている自分に腹が立ったし、今後もずっ
   と現場の最前線で働く仕事がしたいと思って、この道に進んだ訳だ
   からね、でもね、実はまた最近この話を思い出すことがあったんだ
   よね。

T君:偶然ですね、僕もです。
F :そうなの?
   実は最近、自分も気づかないうちに、売れている店舗やブランドを
   見る際に、場所が良いからなぁ~とか、お金かけてるからなぁ~と
   か、そいうことを考えるのが一番嫌いなのに、そんなことを当たり
   前のように感じてしまっていた自分がいて、本来自分が何故、この
   道に進んだのか?そして、今の自分のコンセプトとなっている。
   「GIANT KILLING=番狂わせの大物喰い」を起す自力を失っているん
   じゃないかと。そんな自問自答を繰り返し、今一度、独立時の気持
   ちや頭に、そしてもっと自らに不足感や渇きを感じて生きていこう
   と思っていた所なんだよね。

T君:そうなんですか~?色々チャレンジしているじゃないですか?
F :そこは、まだまだだよ。これからもっともっと深くやっていこうと
   思っている。

T君:僕も同じです。VMDの仕事もそうですが、毎月行っているファッ
   ションイベントも定期化してきましたし、更にココから新たにディ
   スプレイや空間デザインのイベントを行おうと思っています。
F :そうなんだ、Tはアーティスト寄り出し、凄くいいと思うよ。

T君:ホントですか?
F :本当です。
   僕らは、絶対に誰かのせいにしたり、何かが不足したりすることで
   目指すモノやコトが出来ないとは、思ってはいられない仕事なんだ
   よね。勿論ドンキホーテのようになってもいけないと思うけど、出
   来ることから確実に見定め、更に上を目指す。この反復によってお
   客様を高みに導いていくお手伝いが出来れば最高だね。
   それが僕らの考えるプロフェッショナルだと思う。

T君:そうですね、何も行動を起さないうちから負けを認めたり、逆に人
   のやっている事の努力の証を軽く考えたりすることは、私達らしく
   ないですもんね。
   今日は久々に話が出来て本当に嬉しいです。ありがとうございます。
F :こちらこそ今日はありがとう。また遊びにきてね。
T君:ハイ。


T君とは、もう20年来の関係であり、今は最高の仕事仲間となっています。
2人とも、常に毎日に不足感を感じていますし、会えば必ずお互いを刺激し
あえる関係になっています。

仕事をしていると、回りが見えなくなったり、行動を起さずに人のコトを
引き合いにだして自らを正当化したり、自分の本来、欲している理想像と
は、かけ離れてしまっていくこともあるかと思いますが、T君と私、別の
角度から同じ理想像を求めていく。

友人が近くにいることで、お互いを鏡のように映しあって、お互いの道標
とさせてもらっています。また前に進んでいくパワーをいただけた夜でし
た。

皆さんには、過去の自分の理想像に近づけていますか?過去の私の理想像
に対して、今の私はまだまだ追いついていないようです。頑張りがいがあ
る目標です。ではでは。

スーパーマーケットのVMD

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購
入していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思っ
ておりますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。


GUEST No.23
     『スーパーマーケットのVMD』

バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「どうもこんばんは。」(以下FJ)
「いらっしゃいませ」

<ゲストの紹介>
FJさんは食品スーパーチェーンの再起を託されたプロジェクトチームの中
心人物です。先日、このスーパーでの売場改善中に他の幹部達が、私が売
場を改善しながら忙しく動き回っているのを見ている際に、このFJさんが
「何で皆さんも協力して参加しないのですか?」と声を掛けるとこの幹部
達が口を揃えて、「今日は、見学だから」と……

その瞬間、
FJ氏「そんなこと言ってるから、今の状況なんでしょ!!!自分達から率先
して参加して変わっていかないと意味がない!!!」
この一言を聞いた瞬間に、このメールマガジンへの参加をラブコールした
という経緯です。


F:こんばんは
FJ:今晩は、お招き頂きありがとうございます。
F:コチラこそよろしくお願い致します。お飲み物は何になさいますか?
FJ:じゃービールを頂きます。
F:私もお付き合いさせてください。いやぁ~しかし、突然のお願いで申
  し訳ありません。

FJ:いやいや、こんな機会もないですからいいですよ。
F:ですが、あの一言、本当に助かったというか…本来僕が言うべきこと
  なんですが、もう開店直前で、しかも生鮮品の入荷待ちというような
  状況でしたのでてんぱってました…

FJ:そうですか、僕らもあの日は深澤さんに良い売場を作ってもらって、
  それを役員にプレゼンする予定でしたので、勿論そこに集中していた
  のですが、あまりにも傍観者で他人事のようになっている自社の人間
  を見て、「違うだろう!!!」という…お恥ずかしい…

F:恥ずかしいなんてとんでもない、1人でもFJさんのような方がいらっ
  しゃる事で僕らも救われますし、一緒に戦って行くという想いや姿勢
  がチームの中にないと必ず、悪人を作りだしますからね。

FJ:悪人とは何ですか?

F:チームの失敗や責任を押し付けることが出来る逃げ道となる対象者や
  対象事です。僕らは、その悪人事や悪人にされやすい立場にいますか
  ら…かといって責任を背負いたくないということではなく、勝つため
  にチームの持っているポテンシャルを使い切りたいと言うことですね。

FJ:それはそうですよね。分かります。

F:特にスーパーマーケットって多分、小売業界の中では非常に体質が古
  いですよね。僕自身アパレルの会社を辞めて真っ先に修行したのが食
  品スーパーでしたので、この辺りのギャップは非常に、辛いものがあり
  ました。

FJ:そうでしたか、確かにこの業界の体質は古くからある慣習や、考え方
  が、まだまだ強く残っているかもしれませんね。ただ僕ら若手の世代
  がそこを変えていかなくはなりませんから、VMDなどの新しい概念を
  取り入れたいんです。

F:そうですね。僕にも協力させてください。

FJ:ありがとうございます。

F:では最後に今後VMDの手法を取り入れて何処を目指して行きますか?

FJ:うーーーん、難しい質問ですが、僕らが提供できる価値というのは基
  本的に品質・鮮度・そして安さ。吉野家と一緒ですよ、「安い・美味
  い・早い」ですよね。でも知らぬうちに生活観というライフスタイル
  の価値について考えることを諦めていたんでしょうね。もしくは、こ
  の部分をメーカーに任せていた所が大きかったかもしれません。

  VMDを導入したいという思いは、この生活観を通じた価値の提供であり
  デパ地下のような、ハイクラスの環境や場面で無い、身近な幸せを感
  じる店舗にしたい。食卓から幸せを感じさせる店舗、こんなことが出
  来ないだろうか?そう思っています。

F:そうですね。僕もその意見に共感します。食品スーパーが提供すべき
  ところで抜け落ちておる箇所は、まさにそこだと思います。
  どうしても、日本小売体質は「早く売る・多く売る」ということが前
  提にあります。

  しかし、「早く売る・多く売る」、そして「正しく売る」という事が
  今後、本当に問われる時代になってくると思います。この「正しく」
  が、現状では「虚偽・偽らない」という程度の意味合いに過ぎません
  が、この「正しく売る」という言葉を、どのように解釈していくか。
  ここが、今後の各社の強みの出しどころになるでしょうね。

FJ:まさにその通りだと思います。今後、この正しく売るについて一緒に
  お手伝いしてください。
F:勿論です。今日はありがとうございました。
FJ:ありがとうございました。


今日は久々にPAL’S Barを開店させていただいたのですが、残暑厳しい中
熱いトークが出来ました。インタビュー中にも出てきたのですが、「早く
売る・多く売る」を突き詰めていった結果が、今の日本マーケットの現状
であると思います。

そこに、正しく売るという概念があったのか?と問うと、購入者のリテラ
シーの問題もあり、まだまだ成熟していない部分だと感じています。
変化が非常に求められる業界であるからこそ、正しく売るということを売
場作りから模索していくことは、日本のマーケットで売場作りを生業にし
ていく僕にとって一生のテーマになるのかもしれないなぁ~と、その答の
重さに若干腰が引けながらも真っ直ぐに進んで行こうと誓う私でした…。
ではでは。

露店だってVMD

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購
入していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思っ
ておりますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。


GUEST No.22
     『露店だってVMD』


バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「どうもこんばんは。」(以下T)
「いらっしゃいませ」


<ゲストの紹介>
Tさんは地元を中心に縁日や祭り各種市で露店を出店する所謂露店主さん
です。
ちょっと怖い人たちを想像する方もいらっしゃるかと思いますが、最近で
は自治体や企業が主催し地域住民が参加する「手作り」の日曜マーケット
などや蚤の市などにも参加し、地道に地方を活性化させていく取り組みと
しても注目されている小売商です。

中学時代の友人を介し、売上げが激減してる状況下の中、昨今の店舗作り
のノウハウを活かした露店作りのアドバイスをさせていただいたのが、T
さんとお会いしたきっかけです。


F:いらっしゃいませ、今日は色々とお話を聞かせていただく分、ご馳走
  しますのでごゆっくりなさってくださいね。

T:いえいえ、以前はお世話になりました。
F:お飲み物は何にしましょうか?
T:じゃー、ビールで結構です。
F:私もお付き合いします。

F:Tさんと私は、一応同級生になるんですよね。
T:昭和46年生まれですから、同級生です。

F:いきなりで、なんなんですが、このご商売をされるきっかけは何です
  か?
T:えっとですね、まぁーオヤジの代からやっている商売なんです。オヤ
  ジはスーパーの駐車場なんかで、あの富士宮焼きそばを売っていたん
  ですね。
  一時期は、『この商売はしない』と考えていた時期もありましたが基
  本的に好きなんでしょうね。今では県の公認を受けた協同組合として
  活動している組織に属していますから、皆さんが考えているようなイ
  メージのものとは違ってきているかもしれませんね。
F:そうですか…はじめは、私、完全にビビッてましたからね。
T:いえいえ、ちゃんとしたショッピングセンターなんかでも今は商売を
  させてもらっていますしね。まぁ僕らは飲食やら、玩具の販売など時
  と場所によって商売の内容を変化させていますから、怖そうな方々の
  やっている店舗と間違われることが多いのですが、あくまで、今はイ
  ベントや集客の多い場所での盛り上げを担当する役目が重用だと思っ
  ています。

F:そうですよね。
  さて今日は、以前露店を成功させる売場作りのアドバイスをさせてい
  ただいた時のことを伺わせていただこうと思うのですが、よろしいで
  しょうか?
T:勿論 どうぞ

F:まず、最初に私が友人からご紹介された時には、縁日などで出す飲食
  以外の店舗の売上げが悪くなっているということでしたよね。
T:そうですね。まぁ勿論、飲食系の露店も良くはないのですが、トレン
  ドの商材を引き当てると、それなりに盛り上がりますね。

F:トレンドですか?
T:勿論、流行は大事です。
  今年は前半前から『宮崎の肉巻きおにぎり』が良かったのですが、口
  蹄疫の問題が発生してから厳しいですね。
  やはり、露店で販売する飲食系の商材も伝統的な、飴細工やお菓子類
  以外は、売上げは流行に左右されるんですよ。かといって伝統的な商
  材を販売すると、これが効率が悪いんですよね。飴細工などは職人技
  ですから、1人のお客に対して時間も掛かるし、人件費も掛かる、だ
  から流行の飲食系商材が一番効率良く儲かることが出来るんです。

  ただ、今回の宮崎の肉巻きおにぎりのように、ハードにも投資をして
  作った露店が、想定外の問題によって売上げを落とすとなると厳しい。
  非常に天候に左右される商売ですから、想定外のコトだらけではある
  んですが、一度商材やハードの設備投資をしたら、やはり効率的に早
  く多く儲けなければならないのが私達の宿命なんですよ。

F:なんだか、お話を聞いていると、店舗を持って商売をされている方に
  も聞かせたいこと沢山ありますね。
T:そうですか?でも我々も深澤さんか色々アドバイスを頂いてよかった
  ですよ。
F:ありがとうございます。じゃーあの時のお話を伺いたいのですが、よ
  ろしいでしょうか?

T:ハイ、まず、これまで話してきたように、小さいながらも短期決戦で
  商売をするわけですから、仕入れから店作りまで何か新しいことや、
  逆に基本みたいなことがあれば、相談したいなと思っていたんです。
  そうしたら、私達の共通の友人でもあるS君から、深澤さんの話を聞
  いて、ちょっと会ってみたくなったという感じですね。
F:正直、僕はビビッてましたけどね(笑)
T:そうですか?いきなり、私に『結局はどうしたいんですか?』みたい
  なことを上から目線で話していましたよ。
F:そうでしたか?
T:ハイ。ちょっと、会って失敗したかと思いましたから。
F:すいません
T:いえいえ。その後はとても分かりやすく、色々アドバイスしてくださ
  いましたから。

F:えっと、まず私が最初に見せていただいたのは、玩具系の露店でした
  ね。
T:そうです。やっぱり、この商売にとって一番大切なお客様はお子さん
  なんですよ。子供さんたちが、この場所にどれだけ長く居たいか?買
  いたいもの、興味があるものがあるか?によって売上げが全く違って
  くる。そのために、一度縁日で露店を開いている時に来てくださいま
  したよね。
F:ハイ。僕も縁日大好きですからね。
  ただ、この商売のアドバイスをさせていただくとは思ってもいません
  でした。でも、行ってみてよかったです。直ぐに問題や改善点が見つ
  かりましたし、その後の進め方もやはり、現場にあるモノですよね。

  僕がまず気がついたのは、その商品量でした。商品量というより商品
  の幅ですね。
  縁日って人通りが凄いじゃないですか?だからある意味『立ち止まる』
  っていうのが小さな子供さんにとっては危険に繋がる。
  また、特に露店の上部に飾ってある『お面』の眺めて選んでいるだけ
  で時間が掛かる。時間が掛かると親は、子供を騙すと言うか、『他の
  モノやお店も見てみましょう』と混雑から逃げ出したくなるわけです。

  まずは、如何に早く、決めさすかということと、通り過ぎてしまった
  お客さんに店舗に戻ってきてもらうための仕掛けをしておくかが最初
  のポイントでしたよ。

T:そうでしたね。『お客さんの五感と記憶をフル活動させましょう』っ
  て言ってましたね。
F:ハイ、だからまず、お子さんたちにとってキャラ立ちしている店舗に
  しようと考え、販売するキャラクターを絞り込みましたね。男子なら
  コレ、女子ならコレ。
  それから、店舗のBGMも絞ったキャラの主題歌を掛け、そのキャラ
  の商材に絞って品揃えする。そうすると、お子さん達にとって、縁日
  の露店が、キャラの専門店化する。

  次は、女の子達用に匂いアイテムを多くしましたね。これは匂いの効
  果が記憶に訴えかける効果に結びつきやすいので、匂いアイテムを前
  面で多く打ち出し、そして、試させてあげる。体験効果ですよね。
  また買ってくれたお子さん達に、もれなく、くじ引きをサービスし当
  たるとガチャポンをサービス。

T:これ、聞いていくと当たり前のことなんだけど、短期決戦で早く多く
  儲けたい我々の発想だけではできない手法でしたよ。
  でも、結果、何処行っても行列できますもんね。勿論、先行投資は以
  前よりも大きいですが、盛り上げれば、場所も大きく確保させてもら
  えますし、良いイベントに呼ばれる。そして売上げも向上する。正攻
  法ですね。
F:そうだと思います。
  ただ、正攻法で他のお店は勝負していないじゃないですか?この場合
  何をもって正攻法と言うのか分かりませんが、とにかく『お客さんの
  五感と記憶をフル活動させる』商売は人気店舗になる。
  これは、どんな業種だろうと変わらないと思いますし、特に、Tさん
  のご商売は、全ての商いの根幹みたいな業種ですから、直ぐに効果が
  現れると思っていました。

T:ありがとうございます。
  あの後、教えていただいたことから飲食系も試食の量を増やしたり、
  トレーやBGMなど、色々工夫しているんですよ。
  どれも結構直ぐに効果が現れていて、今では真似されることも多くな
  りましたよ。本当に助かりました。
F:良かったです。
  やっぱり、アドバイスさせていただいたことを、直ぐに自分に落とし
  込んでいただいて、そして理解から応用に移していただく。
  これをしていただければ、必ず効果が出ますし、お手伝いをさせてい
  ただく方としても非常に嬉しい成果ですね。

  どうしても、全て教えてもらう体制を崩せないというか、完全に受身
  の方がいらっしゃるのですが、まず間違いなく理解できていない、応
  用も出来ない。僕としても時間もコストももったいないとしか思えな
  いですからね。

T:また、新しい露天での商売を考えますから是非、遊びに来てください
  ね。
F:ありがとうございます。
T:じゃーーそろそろ失礼します。
F:今日はありがとうございました。
T:こちらこそです。


今回ご来店いただいたTさんですが、僕にとっても非常に良い経験をさせ
ていただいたと思っております。勿論、今までも大きな百貨店のウインド
ウや、ブランドショップの店作りなど、多くの経験をさせていただきまし
たが、青果市場で朝5時から仕入れをしていた時のことと、今回の取り組
みはある意味非常に近い感覚があり、なんと言っていいのか分かりません
が、商売ってどんなに進化・進歩しようと、この部分が分かっていれば、
本質は外さないだろうという自信が湧く取り組みでした。

僕自身がモノを販売することは、今後も無いと思うのですが、だからこそ
モノ売り現場に誰より近づいて、お客様に近づいて、お客様の『欲しい』
を作る本質を見極めて生きていきたい、そう願う私でした。

ではでは

模範解答は許さない男

今夜もPAL’S Barを開店させていただきます。
今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購入
していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思ってお
りますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。
GUEST No.21
      『模範解答は許さない男』
バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「お疲れ様。」(以下I)
「いらっしゃいませ」
<ゲストの紹介>
Iさんは某大手広告代理店の営業企画マンです。
この数年、CM作成・PR提案を行う際にVMDの知見をリアル店舗の展
開に使おうと、私をこの業界に引き込んで下さいました。一緒に企画した
り、クライアントへの提案に関するお手伝いをさせていただいたり、パー
トナー的な存在であります。

F:いらっしゃいませ、今日は色々とお話を聞かせていただく分、ご馳走
  しますのでごゆっくりなさってくださいね。
I:はい
F:お飲み物は何にしましょうか?
I:では、山崎の12年をロックで。
F:私もお付き合いします。

F:では、改めましてお疲れ様です。
I:今日はどんなこと聞かれるんですか?
F:普段、お仕事でご一緒させていただいている際に、伺うような話を少
   しだけお教え頂けると嬉しいのですが……
I:そんないい話してましたっけ?
F:うーーーん飲み屋のネタも多いですが、仕事の方でお願いします。
I:ハイ、、、

F:Iさんと、一緒にお仕事をさせていただいたのは、3年程前だったと
   思うんですが、何でVMDっていう部分と、何で私に?っていうこと
   をしっかりと聞くことが無かったんですがお教え願えますか?

I:まず、我々は広告というモノやコトを使って、商品であったり、ブラ
   ンドであったり、企業イメージを広く世間に発信して、その結果お客
   様の利益に繋がるお手伝いをさせていただく企業なんです。その中で
   も現在TVなどのCMは、広告の軸になっている部分です。
   しかし、市場全体の売上げ規模の減少や顧客のTV離れから、TVC
   Mを流すからといって必ずしも大きな売上げ効果が期待できる時代で
   は無くなってしまいました。
   しかし、このTVCMに関する利益は我々にとっては非常に大きな部
   分ですからCM作成と連動して、本気で売上げを向上させる取り組み
   を行うことで、広告の受注も増やす、さらにはそこに対する強みを持
   ち得たいという思いがあった訳です。

F:だからリアルな店舗の店頭に目が向いたということですね。
I:そうですね。
   まぁECサイトやWEBの店舗であれば、CMのイメージや、クオリ
   ティはーまず落とすことなく、伝えられる情報ですが、例えば化粧品
   や、飲料なんていうのは実際に、その多くを販売する店舗は日本国内
   の何万・何千という店舗ですし購入以前のお客様が商品を最も手に触
   れる可能性が高いのもこの場所です。
  例えは悪いですが、情報の発信力の大きな媒体は、武器で表すなら空
   爆。しかし、勝敗を決めるのは必ずゲリラ戦だと、私は思います。
   空爆の精度は、勿論向上しているのですが、やはりまだ今のマーケッ
   トの中では店舗による 戦いが重要です。
  だから、我々もリアルな店舗の展開に対する効果的なノウハウが必要
   とされていましたし、我々が企画する広告提案の中に効果的な店頭提
   案が含まれているのはお客様にとっても、我々にとっても非常に重要
   なポイントであると考えています。

F:そうですね。
   私、3年前に突然、Iさんから連絡があって、いきなり仕事の依頼を
   初対面で頂いた際にはびっくりしましたが、Iさんの暑苦しい程の人
   柄を拝見いたしまして、絶対に、凄い提案を作って驚かせてやろうと
   思いましたよ。
I:実はそれまでも、深澤さんに今お願いをしているようなことをやって
   いただいていた方がいらっしゃったんです。

F:そうなんですね。
   では突然に何故?
I:先程、『驚かせてやろう!!』という言葉を使ったじゃないですか?
F:ハイ
I:その、『驚かせてやろう』っていうのが非常に重要だと思うんです。
   CM作成を軸に店頭展開を考えていると、正直『まぁ~そうなるね』っ
   ていう店頭提案が正直、多いわけですよ。そうなると、あとは販促物
   の印刷方法やらちょっとしたツールの機能の話のみで、つまらなくな
   ってくる訳です。
  そこで、根本から『どう売るの?』っていうのを考える人が必要でした
   し、それが、ただの思いつきではなく、実際に考え方が正しいけれども
   我々の持つ回答とは違う、新しい回答を持っている方にお願いしたいと
   考えて、探していたんです。で、たまたま、深澤さんのセミナーに参加
   した際に、この人!!と考えました。
   それから、ご一緒できるタイミングを探っていたんですけどね……

F:えっ!!セミナー参加していただいたんですか?気付きませんでした。
I:弊社の別の営業が参加する予定だったんですが、これも、たまたま、
   参加できなくなり、私が代役で参加させていただいたんです。

F:運命ですね。
   では少し、話を変えたいんですが、先ほど回答という言葉を使われて
   いましたが回答とは具体的に、どんなことですか?
I:勿論、回答とは『売り方』ですよ。しかも、お客様に響く売り方です。
   今って、殆どマーケットで行われている販売方法って正しいんですよ
   ね。正しい価格に 正しい表記 正しい展開 正しい場所 模範解答
   だらけですよ。
  でも売れない。売れるものはあるけど、模範解答を出す為に積み上げ
   られた回答は、お客様には響かない。だから、売れないんですよ。

F:そうですね。正しいっていう言葉自体を疑って掛かった方が良い場合
   が多いのですが、リサーチ結果や顧客情報、ライバルの商品の情報等
   から開発された商品がまた、同じような情報で販売されていく。特に
   リアルな店頭ではそう考えると、今の世の中は模範解答だらけですね。
I:そうですね。この世界には無い販売方法を!!なんて言うと大袈裟かも
   しれませんがね。
F:いえッ 大袈裟じゃないと思います。お客様はやっぱり未知のモノや
   コトに興味がありますし、未知のことが知りたい。今の日本は、生活
   の中での視野が狭くなりすぎてますから、商品や販売方法も何となく
   集約している。
  集約している中で、ものすごく細かく分散しているじゃないですか?
   マーケットの中に未知の部分が少なすぎるだと思います。
  勿論、僕らにすると、商品自体が未知のモノだといいんですが、それ
   は僕らの立ち居地の仕事ではありませんから、やっぱり、販売を企画
   そして店頭展開を提案する際には、……驚かせたいですね。
  未知のモノとして。しかも取っ付きにくい、未知のモノやコトではな
   くて自然でありたい。そう思っています。

I:そうですね。中国なんて今、マーケットにあるモノやコトが未知のモ
   ノだらけでしょうね。だからがんばって手に入れたいとそういう気持
   ちが強いじゃないですか?
   深澤さん中国によく行ってるから分かるでしょ?
   そういう気持ちを作り出すことが我々の共同作業だと思います。

F:そうですね。
   中国の空港で飛行機を降りると、サクセスって文字が並んでるんです。
   消費力っていうのは、経済的な部分よりもどれだけ欲しいのかっていう
   気持ちのモチベーションが強さだと思うんです。僕らも学生の頃、どう
   しても欲しくって分不相応なモノを厳しいバイトして買いましたからね。
   そういう思いや、動機をやっぱり作りたいですね。

I:そうですね。深澤さんも僕より十分暑苦しいですよ。
F:失礼しました。
I:では。そろそろ帰らせていただいてもいいですか?
F:また怪しい場所に飲みに行くんじゃないですか?
I:一緒に行きますか?
F:直ぐ支度します。

Iさんから仕事を頂くと非常に緊張します。緊張するというのは、どうし
たら、まずIさんを驚かすことが出来るのか?これまでにも色んなお仕事
をさせていただいていますので、僕のやり方も理解していただいている、
その中で常に、面白く驚きとなる回答を、今回は出していけるのか?
そんな緊張感を持たせてくれる、パートナーです。

彼のような存在が沢山いることで、何処に行っても、何を見ても、今日の
話に出ていた、回答に結び付けて考えてしまうような体質になってしまい
ました。

まぁ~でも考えているうちは、まだまだですよね。考えるより感じとれる
ようにならなくてはですね!!  ではではまた来月。

マイペースを貫くカリスマブランド

今日も小売の最前線でお仕事をされている方を迎えて、お客様に商品を購入
していただくことの楽しさや、難しさについて熱く語っていこうと思ってお
りますので、閉店まで是非お付き合いくださいね。

GUEST No.20
     『マイペースを貫くカリスマブランド』

バタンッ(ドアの開く音)
「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)
「お疲れ様。」(以下U)
「いらっしゃいませ」

<ゲストの紹介>
Uさんは、私の最も古くからのクライアントである某国のカジュアルブラン
ドの店舗運営部担当者であり、プライベートでも非常に親しくさせていただ
いているお客様の1人です。

F:いらっしゃいませ、今日は色々とお話を聞かせていただく分、ご馳走し
  ますので、ごゆっくりなさってくださいね。
U:はい↓
F:お飲み物は何にしましょうか?
U:では、生一つ。
F:私もお付き合いします。

F:今年で30周年のブランドアニバーサリーですね。
  おめでとうございます。
U:ありがとうございます。

F:本当に凄いことだと思いますよ!!
  僕も、参加させていただくようになって6年ですからね。時間がたつの
  は早いですね。初めて事務所にお伺いした際の提案書を見返す機会が最
  近あったのですが、今見ると、お恥ずかしい内容で・・・・・・・  
  申し訳ありませんです。

U:いやーー、とんでもありませんよ。僕らもVMDっていうことに関して
  何となくしか理解していなかったんですが、現在も、こうやってVMD
  を軸に店舗運営をしておりますから、感謝していますよ。
F:ありがとうございます。

F:今日Uさんにお越しいただいたのは、日本での直営展開を開始してから
  これまで殆ど店頭セールをしないで、売上げ、そして直営店舗を増やし
  続けながらブランド運営をし続けている秘訣のようなものをお伺いした
  かったからです。この読者の方も、その辺りの話は興味があるのではな
  いかと思い、是非と、お呼びしたんですが、、、、、、、

U:そうですか、実際に僕も他のメーカー等で勤めたことがありませんから
  ここが違う!!と、一概にお話しするのは難しいかもしれませんが、確
  かに、近年どの店舗も、いつ行ってもセールをしている店舗が多くなり
  ましたね。

F:そうですね、単純にマーケットに対してオーバーストアというのもある
  のですが、この4月の店頭はセールだらけですからね。一度打ったら止
  められない麻薬汚染が広がっているような状態ですよね。

U:私達のブランドは90年代から裏原宿を中心に売上げが一気にピークに
  達しました。それ以前からも、平行輸入の店舗が多くあり、全国的にテ
  ィーン層を中心に人気はあったのですが、あのブームによって一気にメ
  ジャーになっていきましたね。

  ただ、そのころと、今とも、そしてそれ以前とも我々のスタンスは殆ど
  変えませんでしたし、一気に波が来たからといって、店舗は増えました
  が何かを変えるというようなことは一切しなかったんじゃないですかね。

F:あの波が終わりを迎える2003年位から私は参戦さしていただきまし
  たね。
U:そうですね。深澤さんもキャリー品が結構あって、びっくりしていまし
  たもんね。『セールは行わないんですかっ?????』って
F:驚きでした。

U:勿論在庫の消化や店頭・商品の鮮度を考えると、それもありなのですが、
  年間半袖TEEが売れるブランドですし、それが顧客の満足に繋がると
  は決して思えないじゃないですか?僕らはプロパー価格に対して、それ
  に見合う価値を提供しているわけですから、それよりも下げて販売する
  ことが出来るならそれは、もともとの価値が疑わしくなることに繋がり
  ますからね。

F:まさに、そうですね。僕も、いつも商品を購入させていただいておりま
  すが、購入した商品は、使用頻度も高いし、使用回数も多い。勿論デザ
  インが気に入って購入していますが、高いと感じたことはありませんよ。

U:ありがとうございます。周りを見渡せば、全てではありませんが・・・
  収益と顧客満足が反比例しているモデルのブランドばかりじゃないです
  か?僕らは出来るだけ顧客と共存しようと思っていますから、収益と顧
  客満足が比例するようなモデルを心がけていますよ。

F:なるほど、理想ですね。
U:ハイ、共存しようと思っているから、ブランドを生き方と捉えています。
  出来る限り、提供価値のフィルターだけは確立して商品提供を行う。提
  供価値のフィルターを確立してあるからこそ、柔軟になれるということ
  です。

F:だから毎年、色んなデザイナーやブランドのコラボも可能であるという
  ことですか?
U:そうですね。フィルターがしっかりしているから、提供価値は見誤らな
  いと思いますし、これが、ここに集まる才能やブランド、クリエイター
  と繋がれる柔軟性にもなっているのだと思います。

  それは、外から見た目で私達を表現してもらう作業にもなるわけですか
  らね。僕ら自身も可能性を広げる作業ですね。

F:深いですね。確かに、最近のコラボ商材は、明らかにコラボする、どち
  らかに頼っている姿勢が見受けられますからね。これは正直つまらない。
U:(笑)そうですね。フロアがミッキーだらけになってるところがありま
  したよ。ここは、ディズニーストアかと?

F:では、この価値提供フィルターというのは、顧客満足を生み出す視点の
  集合体というのな認識と考えてよろしいでしょうか?
U:そうですね。この中にはブランドコンセプトも入っていますし、デザイ
  ナー、参加しているクリエイターのメッセージも詰まっています。僕ら
  も含めた、ブランドのエレメントがギッシリ張り巡らされているフィル
  ターといった感じですね。

F:中々、ここを通過するのは厳しそうですね。
U:そこは信頼で成り立っていますからね(笑)

F:では、ちょっと、今後のことについてお聞かせいただいてもよろしいで
  すか?
U:ハイ

U:そうですね。国内では10代20代前半の子達がファッションに興味が
  なくなっていますよね。このあたり国内での売上げは頭打ちになってく
  ることも考えれるのですが、30代40代の層は、やはりお客様も成長
  している分、増えていっています。ターゲットは、以前よりも広がるの
  だと予測できますが、まずは私達自身が提供価値を見誤らずに、私達の
  提供価値に賛同してくれるサポーターを増やしていくと言うことでしょ
  うね。

F:ファンではなく、サポーターですね。共存ですね。
U:あとは、深澤さんも今、重点的にがんばっているアジアの見直しですね。
  ここはやらなくてはなりませんが、本国と連携しながらそろそろGOす
  ることが必要だと感じています。

F:そうですか、その時はまたご協力させてください。
U:勿論こちらこそ。
F:今日はありがとうございました。
U:ご馳走様でした。


今回ご来店いただいたUさんの運営されているブランドですが、本当に理想
的な状態にあるのだと思います。ただ、常にそのスタンスの置きかたや提供
価値、このあたりの安定感を向上させるために、とにかく柔軟にそして感性
的な質の向上に取り組んでいらっしゃいます。

お話を伺っていつも思うのは、どこかでやっていた風であるとか、以前にこ
んなのがあった?というような取り組みを誰一人していないということです。

Uさんのブランドは、僕自身VMDを組む上で「○○風だとか、○○みたい
な感じの店舗だよね」なんて言われたくないと最も感じるお客様ですし、関
わる人間にそんな緊張感さえ与える雰囲気があります。

これが、Uさんの言うフィルターなのだと思いますし、信頼があるからこそ
甘えを許さないチームとなっているブランドなんだと実感します。

海外展開を成功させたら、是非またUさんにご来店していただきたいと思っ
ております。では、では・・・・・・

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